概要
友人に誘われて、平和島のボートレース場に行ってきました。

私を含めてメンバーは全員ド素人。レースのルールからしてよくわかっていない上、選手の名前も知らなければ、モーターの良し悪しもわかりません。
そんな状態でしたが、実際に舟券を買ってレースを見てみると、思いのほか楽しめました。
同時に、「ギャンブルだと思っていたけど、投資と似ているところもある」と感じるところがありました。
情報はあるが、活かし方がわからない

ボートレースの出走表には、たくさんの数字が並んでいます。
- 選手のランク
- 選手の勝率、2連対率
- 当地成績
- モーターの成績
- 今節の着順
などなど。選手の情報に加えて、モーターの情報もあるところが特徴的ですね。ボートレース場では、たくさんのモニタにこれらの情報が映し出されています。
さらに、レース直前に行われる「展示航走」のタイムも提示されます。これは紙の出走表には書いておらず、当日になって追加される生の情報です。
これらの数字から選手やモーターの状態を読み取って、予想に活かすようです。
しかし、ド素人の私たちには情報の活かし方がまったくわかりません。
出走表にはびっしりと数字が書かれていますが、ここから情報を読み取るのがまず難しい。ある友人は「日能研のテストみたい」と言っていました。
当日に出てくる展示航走のタイムも、結局どのくらい重要なのかが判断できません。
株式投資でも、たくさんの数字が提示されます。
- PER
- PBR
- ROE
- 利回り
- 売上高
- 営業利益
- 自己資本比率
詳しい人なら、こういった情報から企業の状態や株価の割高・割安を判断できるのでしょう。
一方、よくわからないまま数字だけを眺めても、未来の株価が見えてくるわけではありません。
数字や指標はたくさんある。それをどう解釈するかは別の話。
ボートレース場のモニタを前に、それを嫌というほど実感しました。
声高に予想を叫ぶ商売
ボートレース場には、専門家が自身のレース予想を解説するブースがいくつか設けられていました。
- この選手にこのモーターなら間違いない!
- スタートの展開はこうなる!
- このレースは大穴でこの選手を狙いたい!
ホワイトボードを使って「プロ」が予想を大声で説明しており、人だかりができていました。
Webで公開されている無料の予想もありますが、展示航走の結果を踏まえた「プロ」のリアルタイムな予想が聞けるのは、ボートレース場の現地ならではの利点だと思われます。
投資の世界でも、未来予想はひとつの商売として成り立っていると言えます。
- この株は絶対上がる!
- 日経平均は○万円まで上昇する!
- バブル崩壊が近いから撤退しろ!
強い言葉で将来を予想する人はたくさんいます。
ただ、自信の強さと予想の正確さは別物です。
突然の軍事侵攻とか、日米協調での為替介入とか、投資の世界では思いもよらないことが起きます。
唯一、確かなことは、「確かなことなど何もない」ってことだけだと思っています。
ド素人なら「集合知」に賭ける
数字の活かし方はわからないし、「プロ」の予想もバラバラ。
そこで、私は「オッズ」を参考にしました。
人気のある舟ほど、買いが集まってオッズは低くなります。
つまりオッズには、多くの参加者がいろいろと考えた結果の「集合知」が反映されていると言えます。
それなら、ド素人が出走表をにらんで独自理論をひねり出すより、人気のあるところに賭ける=集合知に乗るほうがいい。
そんな思考で、複勝や2連複の「倍率は低いけど当たりやすい買い方」で、人気のある舟を買っていました。
波乱があって盛り上がっていたレースでは当たりを逃したものの、それ以外のレースは「下馬評通り」の結果であり、着実に当たりを重ねることができました。
私の舟券の買い方は、インデックス投資の考え方に近かったと思います。
会社の情報を分析したり誰かひとりの予想に乗っかったりして個別株を選ぶのではなく、インデックス投資で市場全体に乗る考え方ですね。
「自分だけが正解を見つけられる」と考えるより、「自分よりも市場全体のほうが賢い」と考えたわけです。
そもそも大勝は狙っておらず、最小限のコストでボートレースの雰囲気を楽しめればいいなと思っていたので、払い戻し倍率は低いが当たりやすい、今回の買い方が正解だったと思います。
掛け金の1.3倍返し。株なら驚異的なリターン
もちろん、人気のあるところに賭ければ、当たったときのリターンは小さくなります。
実際、100円を賭けて、払い戻しが130円ということもありました。
利益はたった30円。金額だけ見れば大したことはありません。
しかし、株式投資をしている身からすると、ちょっと見方が変わります。
30分で+30%。
株でこの値上がりをしていたら、とんでもないレベルです。
そもそも制限値幅があるので+30%になりうるのは低位株だけですが、株価100円だったところから、プラス材料が出て一気に130円に上昇、みたいなケースです。
もちろん、ボートレースのほうが儲かるという話ではありません。
これだけ短時間で大きなリターンが出るのには理由があります。
外したらゼロ。ここは株とはまったく違う
ボートレースは、外したらその舟券の価値はゼロになります。
いくら賭けても、外れれば0円。賭け金は100%失われ、何も戻ってきません。
簿記の考え方だと、舟券を買ったら費用として処理して、当たったときだけ収益を計上するようなイメージでしょうか。
株の場合は、一度の値動きで株価が一気にゼロになることはありません。連続的に値下がりすることはもちろんありますが、株そのものがなくなるわけではありません。
価格は上下するものの、資産として持ち続けることができます。
株式投資ではそうそうありえない、100円が30分後に130円になるような値動きの裏側には、「外せば資産は残らない」という大きなリスクがあるわけです。
賭ける金額だけは、確実にコントロールできる
当然ながら、株価と同じように、レース結果はコントロールできません。
どの舟・銘柄を選ぶかは自分で決められますが、それが正解かどうかわからない以上、予想どおりになる保証はありません。
唯一、私たちが確実にコントロールできるのは、賭ける金額です。
ボートレースなら、1レース100円にするのか、1万円にするのか。
株式投資なら、1銘柄に資産の1%を投じるのか、50%を集中させるのか。
資産配分は自分でコントロールできます。
結果そのものは選べません。しかし、予想と反対の結果が出たときに、どのくらいのダメージを受けるかは自分で決められます。
未来を当てることに夢中になるより、自分でコントロールできる部分を管理する。
ボートレースでも株式投資でも、結局ここが大切なのだと思います。
私は、毎回最低額の100円の舟券を買うに留めました。胴元のいるギャンブルである以上、回数を重ねるほど、最終的な収支は期待値=マイナスに近づいていくと考えたため。
舟券を買えば、見え方が変わる
投資家目線で集合知に乗っかり、最低単位の100円だけ賭ける。
そんな冷徹な手法を貫きましたが、それでも生で見るボートレースは結構楽しめました。

ボートが一斉にスタートを切る瞬間。
水しぶきを上げながら、密集してコーナーを曲がっていく場面。
どんな駆け引きがあるのか、どういうコース取りが優れているのか、テクニック的なことはまったくわかりません。
それでも、自分が買った舟を応援しますし、100円しか賭けていなくても大いに盛り上がりました。
身銭を切ると、それまで知らなかったものを真剣に見るようになる。
これも、株を買っただけで、その会社に親近感が湧いたりニュースが気になるようになったりするのと似ていますね。
2時間で+160%、再現性はない
ボートレース初挑戦のド素人でしたが、人気どころを中心に買って2連複が当たったりして、2時間あまりの滞在での最終的な収支は+160%になりました。
どう考えてもビギナーズラックでしょう。ここで「自分には才能があるのでは」と思って掛け金を増やしたら、たぶん話が変わってきます。
ボートレースの知識が身についたわけでもなく、再現性はありません。もう一度やりたいとはまったく思わないです。
それでも、友人と遊びに行った一日のレジャーとしては、なかなかおもしろい経験になりました。
大量の数字を眺め、よくわからないなりに戦略を考え、集合知に乗ってお金を賭ける。
そして、結果に一喜一憂する。
そんな日もたまにはいいのかなと。
また、現地に足を運んで実物を見たことも重要だったと思います。
スマホで舟券を買って結果だけ見るのでは、全然盛り上がらないはず。
まとめ
ボートレース場で遊んでみたら、思いがけず株式投資にも通じる教訓を持ち帰ることになりました。
- 素人なら、集合知に乗る:
ボートも株も指標は山ほどあるが、それを正しく評価するのは難しい。大勝を狙わず、人気の舟やインデックスに乗るのも一つの方法 - 資産配分は自分でコントロールできる:
結果は選べなくても、いくら賭けるかは自分で決められる。リスクの取りすぎには注意 - 現地に行って身銭を切れば、見え方が変わる:
100円でも自分のお金を出せば真剣に見るようになる。実際に経験して初めてわかることもある
ボートレースを楽しみに行ったはずが、気づけば投資について考えていました。
自分の視点を増やす意味でも、いつもと違うところに身銭を切ってみるのもおもしろいものですね。


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